コラム

 

理学療法士に求められるコミュニケーション能力について解説

理学療法士の女性

理学療法士にとって効果的なリハビリを提供するために、コミュニケーション能力は欠かせません。
 
理学療法士を目指す方の中には、コミュニケーション能力に自信がなく、「理学療法士に向いていないのかな」と不安に思っている方もいるのではないでしょうか。
しかし、コミュニケーション能力は努力によって身に付けられるため、コミュニケーション能力に自信がない人でも理学療法士になることは充分に可能です。
 
この記事では、理学療法士に「コミュニケーション能力が必要な理由」を解説しています。コミュニケーション能力を磨く方法についても解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。

 

理学療法士にコミュニケーション能力は必要?

リハビリのイメージ
理学療法士は、患者さんの心身状態やリハビリの目標に合わせて、1人ひとりに合わせた治療プログラムを作成します。
 
治療プログラムは、患者さんの生活、職業などを考慮し、必要な身体機能を獲得する内容にしなければなりません。そのため、理学療法士は患者さんとコミュニケーションを取りながら、治療プログラムの計画を立てるために必要な情報を聞き出す能力が必要とされます。
 
リハビリは患者さんだけでなく、家族や医療チームとの連携も重要です。お互いに患者さんの状態やリハビリの進捗状況を共有し協力することで、より効果的なリハビリを提供できます。
 
より効果的な治療プログラムを立案するためには、患者さんの気持ちに寄り添ったり、家族や医療チームと情報を共有したりすることが重要です。そのため、コミュニケーション能力は、必要不可欠な能力といえるでしょう。

 

理学療法士に求められるコミュニケーション能力

理学療法士に求められるコミュニケーション能力は、以下の3つです。
 
・聴く力
・伝える力
・読み解く力
 
それぞれ解説します。

 

聴く力

聴く力は、患者さんの話をよく聴き理解する能力です。患者さんの症状や生活スタイル、仕事内容などを把握しなければ、その方にとって本当に必要なリハビリの計画が立てられません。
 
患者さんの話は、先入観を持たず、最後までしっかりと聴きましょう。また、自分の意見を押し付けてはいけません。患者さんにより寄ったリハビリ計画を立てるためには、話の中から重要なポイントを把握する能力が求められます。
 
聴く力は理学療法士が患者さんに対してより良いケアを提供し、効果的な治療計画を実施するために不可欠なスキルです。

 

伝える力

理学療法士は、患者さんに自分の考えや意図をわかりやすく伝える力も大切です。うまく自分の意図を伝えられないと、「これは私の問題を解決してくれるリハビリなのかな?」「このリハビリはどのような効果があるのかな?」など患者さんに不信感を抱かせてしまう可能性があります。
 
医療分野では専門用語が多かったり、内容が難しかったりするので、わかりやすく伝えるのが難しい場面があります。
医療の知識を、患者さんにわかりやすい言葉に置きかえてあげたり、伝わりやすい言葉遣いや表現を心がけることで、患者さんとの信頼関係を築くことができ、患者さんは安心してリハビリを受けることができるのです。

 

読み解く力

患者さんの表情や言動から、伝えたい内容を読み解く力も大切です。患者さんが言葉にできない気持ちや不安などを察知することで、より親身な支援が行えます。
 
患者さんの中には「本当のことを言うと迷惑がかかるのではないか」「一生懸命やってくれているのに、申し訳ない」などの気持ちから、正直な気持ちを伝えてくれない方もいます。
 
理学療法士は、患者さんの心情を読み解き、声をかけてあげることで、患者さんは理解されていると感じて治療に対して前向きになれるでしょう。

 

コミュニケーション能力がないと理学療法士には向かない?

リハビリとコミュニケーション
理学療法士は、患者さんと適切なコミュニケーションが取れる能力が求められます。しかし、コミュニケーション能力がなくても理学療法士になることは可能です。
 
コミュニケーション能力は、働きながら身に付けられるため、コミュニケーション能力が高くないと不安に思っている方でも心配ありません。
コミュニケーション能力が不足していると感じる場面には、経験不足から起こることもままあります。
実習や就職後には、経験が増えていくことで、自然とコミュニケーション能力が磨かれるでしょう。
 
重要なのは、コミュニケーション能力を向上させる意欲と努力です。コミュニケーション能力が高くない人でも、意欲と努力により、優れた理学療法士になれます。

 

理学療法士に必要なコミュニケーション能力を磨く方法

コミュニケーションをとる男性
コミュニケーション能力は、日常生活で意識しながら取り組むことで、高めることが可能です。また、普段接することのない人たちと交流する機会を作ることで、コミュニケーション能力が磨かれていくでしょう。
 
下記では、理学療法士に必要なコミュニケーション能力「聴く力」「伝える力」「読み解く力」をどのように磨けばいいのかを、それぞれ紹介します。

 

聴く力を磨く

「聴く力」を磨くには、相手の話を遮ったり自分の意見を押し付けたりせず、最後までじっくりと聴くことが大切です。会話の内容から、重要なポイントや疑問点などを把握するように心がけ、相手が自分に何を伝えたいのかを感じ取りましょう。
 
具体的には、以下の方法を試してみてください。
 
・相手の話を遮らずに、最後までじっくりと聴く
・相手の話から、重要なポイントを把握しようとする
・理解をしないまま回答をせずに、自分の言葉で復唱し、相手に確認する
 
相手が自分の考えや感情を完全に表現できるよう、中断せずに話を聞くようにしましょう。さらに、相手が話しやすいように相づちを打ったり、共感を示したりすると円滑なコミュニケーションが取れます。
 
また、理解がきちんと出来ていないと感じた際には、「〇〇ということですか?」というように、確認することも重要です。

 

伝える力を磨く

「伝える力」を磨くには、相手の立場に立って考えることが重要です。相手に伝わりやすい言葉や表現を心がけ、相手の理解度を確認しながら説明を加えると、より伝わりやすくなります。
 
具体的には、以下の方法を試してみてください。
 
・相手の立場に立って考えて、難しい言葉を使わずに伝える
・相手の理解度に合わせて、言葉や表現を変える
 
医療職は専門用語が多かったり内容が難しかったりするため、相手の理解度に合わせた言葉選びや表現が重要です。さらに、適切な身振り手振りを使用すると、より相手に伝わりやすくなるでしょう。

 

読み解く力を磨く

「読み解く力」は、相手の表情や言動から伝えたい内容を感じ取る力です。相手の状況や背景を理解することで、より正確に読み取れます。
 
具体的には、以下の方法を試してみてください。
 
・話をしているときの相手の表情や言動を注意深く観察する
・相手の背景(生活、仕事など)を理解したうえで話をする
 
すべてを言葉で伝えてくれる人ばかりではないため、表情や言動から感じ取る力を磨きましょう。

 

理学療法士にコミュニケーション能力は重要

理学療法士のイメージ
理学療法士にとってコミュニケーション能力は、患者さんの身体機能の回復を効果的にサポートするために必要な能力です。「聴く力」「伝える力」「読み解く力」の3つの力を磨くことで、患者さんや医療チームと円滑なコミュニケーションが取れます。
 
「コミュニケーション能力に自信がない」と心配な方でも、患者さんや職場のメンバーと接する機会が増えていけば、自然に身につくので安心してください。コミュニケーション能力を向上させたいなら、ボランティアに参加するなど、普段接する機会の少ない人たちと交流を深める方法もおすすめです。
 
下関看護リハビリテーション学校では、理学療法士になるための勉強だけではなく、コミュニケーション能力やチーム医療を学べるなど、実際の仕事の場面で必要になるスキルも身に付けられます。
 
理学療法士になりたいと思っている方は、ぜひ学校見学・オープンキャンパスに足をお運びください。

 
>>下関看護リハビリテーション学校「理学療法学科」の詳細はこちら