コラム

 

理学療法士と整体師の違いって?仕事内容・給与など

理学療法士と整体師の違いって?仕事内容・給与など

理学療法士と整体師は、どちらも人の身体の不調を改善する職業ですが、その資格や役割、働き方には大きな違いがあります。
 
今回の記事では、「理学療法士と整体師の違い」をテーマに、それぞれの仕事内容や役割、給与水準などを紹介します。
どちらの道を目指すべきか迷っている方や、それぞれの職業の違いを知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
 
 

【理学療法士・整体師とは?

まずは、理学療法士と整体師のそれぞれの概要を解説します。
 
 

理学療法士とは?

病気やケガ、高齢による身体機能の低下に対して、回復や維持をサポートする専門職です。
国家資格が必要で医療や介護の現場において、患者の運動機能の改善を目的とした専門的なケアを行います。
 
医療機関や介護施設、訪問リハビリなど幅広い分野で活躍し、患者一人ひとりの状態に応じた適切なアプローチを行うことで、生活の質(QOL)の向上を目指します。また、医師や看護師、介護職員など他職種と連携しながら、包括的な支援を行うのも役割の一つです。
 
理学療法士は予防医療の分野でも注目されており、健康維持や運動指導を通じて、将来的な疾患リスクの軽減にも貢献しています。
また、スポーツ分野でも活躍の場が広がっており、アスリートのコンディショニングやケガの予防・回復をサポートする理学療法士もいます。
 
 

整体師とは?

身体のバランスを整え、不調を改善することを目的とした手技療法を提供する専門職です。
働く上で国家資格や公的な資格は必要なく、整体院やリラクゼーションサロンなどで働き、手技を中心に筋肉のこりや骨格の歪みを調整する施術を行います。
 
整体では、肩こりや腰痛、頭痛、関節の違和感など、日常生活で生じる不調の緩和を目的とし、施術者の経験や知識に基づいて、筋肉のほぐしや骨格の調整を行います。整体の技術には様々な流派や施術方法があり、カイロプラクティックやオステオパシーといった専門的な手法を取り入れているケースもあります。
 
また、整体師はリラクゼーションを目的とした施術も行うことも多く、身体の緊張をほぐし、リフレッシュを目的としたサービスを提供することもあります。
 
 

理学療法士と整体師の違い

理学療法士と整体師の違い
ここからは、理学療法士と整体師の具体的な違いを「仕事内容・役割」「給与・年収」に分けて解説します。
 
 

仕事内容・役割

理学療法士は、医師の指示のもと、患者の状態を評価し、歩行訓練や筋力強化、関節可動域の改善など、個々の症状や生活環境に応じた治療プランを立案・実施します。
 
病院やクリニックでは、急性期・回復期・維持期の患者に対するリハビリを行い、早期回復を促す役割を担います。
介護施設や在宅リハビリでは、日常生活の自立を目指し、食事や移動、入浴などの動作を支援するトレーニングを実施するほか、転倒予防や介助者への指導も行います。
 
一方、整体師は、整体院やリラクゼーションサロンなどで手技を用いた施術を行います。
整体の目的は、主に筋肉のほぐしや骨格のバランス調整を通じて、身体の不調を和らげたり、リラックスを促したりすることです。
肩こりや腰痛、姿勢の歪みなどの改善を目的とすることが多く、治療ではなく「民間療法」としての位置付けになります。整体師の施術は、保険適用外であることが一般的です。
 
 

給与・年収

理学療法士の平均年収は、厚生労働省の統計によると432.5万円。経験を積んだり、管理職に昇進したりすることで、平均以上の年収を得ることも可能です。医療機関や介護施設で働くため、基本的に昇給ペースは緩やかですが、福利厚生が充実していることが多いです。
 
整体師の年収は、勤務先や技術力、集客力によって大きく異なります。整体院やリラクゼーションサロンのスタッフとして勤務する場合、300万~400万円程度が一般的ですが、歩合制を採用している店舗も多く、収入にばらつきが生じる可能性があります。
 
一方、開業して自分で店舗を運営する整体師は、高収入を得ていることもあります。
しかし、成功するためには、施術だけでなく、経営に関する知識を身につける必要があります。
 
総じて、理学療法士は安定した給与が得られやすい職業である一方、整体師は収入の幅が広く、個人のスキルや営業力によって大きな差が生まれる職業といえます。

参考: 厚生労働省「職業情報提供サイト(日本版O-NET)」
 
 

理学療法士と整体師の適性

理学療法士と整体師の適性
理学療法士と整体師、それぞれどのような人が向いているのか、適性を紹介します。
 
 

理学療法士に向いている人

理学療法士に向いている人の特徴として、以下のことが挙げられます。
 
・人と接することが好きな人
・観察力や分析力がある人
・向上心があり、学び続ける意欲がある人
・体力や忍耐力がある人
 
人と接することが好きな人
リハビリの効果を最大限に引き出すためには、患者のモチベーションを高めたり、不安を取り除いたりすることが重要になります。
そのため、対人関係を大切にし、相手の気持ちを理解しながら寄り添う姿勢が求められます。
 
観察力や分析力がある人
患者の歩き方や姿勢、動作のクセなどを細かくチェックし、適切なリハビリプランを立てる必要があります。
症状の変化を見極めることで、最適な治療方法を選択できるため、細かい部分に気を配ることができる観察力や、データをもとに適切な判断を下す分析力が求められます。
 
向上心があり、学び続ける意欲がある人
医療やリハビリの分野は日々進化しており、新しい治療方法や技術が次々と登場します。
患者に最良のリハビリを提供するためには、学び続ける姿勢が欠かせません。
 
体力や忍耐力がある人
患者の体を支えたり、リハビリの動作をサポートしたりするため、一定の体力が必要です。
また、リハビリはすぐに効果が出るものではなく、患者によっては回復が遅れることもあります。そのような状況でも焦らず、粘り強くサポートし続ける忍耐力も求められます。
 
 

整体師に向いている人

整体師に向いている人の特徴としては以下のことが挙げられます。
 
・人と接することが好きな人
・手先が器用で細かい作業が得意な人
・身体の仕組みに興味がある人
・独立・開業に意欲がある人
 
人と接することが好きな人
整体師も、施術を通じて患者と直接触れ合う仕事です。患者の体調や悩みを聞きながら適切な施術を行い、信頼関係を築くことが重要になります。そのため、人と接するのが好きで、コミュニケーションを取ることに抵抗がない人に向いています。
 
手先が器用で細かい作業が得意な人
整体では、手技を使って筋肉や関節にアプローチします。力加減や施術の精度が重要になるため、手先が器用で細かい作業が得意な人は、整体師としての適性があるといえます。
 
身体の仕組みに興味がある人
整体では、骨格や筋肉、関節の動きについて理解した上で、それを活かした施術を行います。そのため、解剖学や生理学などの人体の仕組みに興味がある人は、整体の技術を習得しやすく、向いているといえます。
 
独立・開業に意欲がある人
整体師は、独立開業を目指すことも可能です。自分の施術院を持ちたいと考えている人には、整体師の道は魅力的でしょう。経営やマーケティングの知識も必要になりますが、自分のスタイルで仕事をしたい人には向いています。
 
 

理学療法士を目指すなら

理学療法士と整体師は、どちらも身体の機能改善や健康維持に関わる職業ですが、資格の有無や施術の目的、対象範囲が大きく異なります。理学療法士は国家資格を持ち、医療機関などでリハビリテーションを行う専門職であるのに対し、整体師は資格を必要とせず、手技を用いた身体のケアを行います。それぞれの役割や働き方を理解し、自身の適性や目指すキャリアに合わせて選択することが重要です。
 
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