コラム

 

病棟看護師の1日の仕事の流れを紹介!やりがいや向いている人の特徴

 
看護師
 
看護師を目指していて、実際に働く人がどのような1日を過ごしているか、気になる方は多いのではないでしょうか。看護師と言えば、「常に緊張感がある」「優しい」「かっこいい」「収入がいい」「体力がいる」そんなイメージがありますよね。
 
看護師の1日の仕事の流れを理解すれば、あなたが実際に働いたときの姿や業務内容などをイメージしやすくなります。

さらには、あなたがいま「看護師になるために不足しているものは何か」を見つけることが出来るかもしれません。

すでにご存知かもしれませんが、看護師の仕事は、出勤から退勤までの間に優先順位を考えながら、効率的に業務を行うことが大切です。

その日の受け持ち患者さんの状態や緊急対応の有無、日勤または夜勤といった状況によっても、1日の仕事の流れが変動します。
 
また、病棟内は、予測不可能なことが起きやすい場所です。そのような事態でも柔軟に対応するためには、まずは看護師の仕事の流れを知っておくと良いでしょう。
 
ここでは、病棟看護師の1日の仕事の流れや仕事のやりがい、どのような人が向いているのか解説していきます。

 

病棟看護師の1日の仕事の流れ

医療イメージ
病棟看護師は、24時間体制で病棟内の患者さんを看護しています。病院によっては2交代または3交代勤務があり、主に朝から夕方までの「日勤」と夕方から翌朝までの「夜勤」に分けられることが一般的です。

日勤と夜勤では、基本的な看護の仕方は同じですが、仕事内容や流れに違いがあります。ここでは、それぞれの勤務帯で行う仕事について、1日の仕事の流れを具体的な内容を見ていきましょう。

 

日勤の流れ(8:30~17:00)

時間 仕事内容
~8:30 出勤、ナース服に着替え、病棟にて受け持ち患者さんの情報収集
8:30 朝礼、夜勤者からの申し送り、日勤業務のミーティング
9:00 巡回、受け持ち患者さんに挨拶、バイタルサイン測定 ※血圧・脈拍・体温
10:00 検査誘導、清潔ケア、処置など
11:00 入院・退院患者さんの対応、午前中の患者情報を看護師内で共有
11:30~12:30 交代でお昼休憩に入る、病棟内に残るスタッフは配膳、昼食介助、配薬
13:00 打ち合わせ(カンファレンス)、看護計画の見直し
13:30 巡回、受け持ち患者さんの状態観察、服薬チェック、バイタルチェック
14:00 検査誘導、処置、午前中できなかった清潔ケア実施
15:00 カルテ記録
16:00 最終巡回し、夜勤者への申し送り事項をまとめる、病棟リーダーへ報告
16:30 夜勤者に申し送り、ミーティング
17:00 カルテ記録、退勤

 
日勤の場合は、手術や検査、処置などが事前に予定されており、1日のスケジュールを調整しやすいでしょう。しかし、緊急入院や手術なども多く、いかに「効率・迅速・正確」を意識して、業務をこなせるかを考えて行動することが重要なポイントです。

 

夜勤の流れ(16:30~朝9:00)

時間 仕事内容
~16:30 出勤、ナース服に着替え、病棟にて受け持ち患者さんの情報収集
日勤スタッフからの申し送り
17:00〜19:00 受け持ち患者さんに挨拶、バイタルチェック、必要時ケア、検査、処置
夕食の準備、配膳、食事介助、配薬、服薬チェック
19:00〜20:00 バイタルチェック
20:00〜21:00 残ったスタッフで口腔ケア、排泄介助、更衣介助などの就寝前の準備
巡回、消灯、病棟内の安全確認
22:00~7:00 カルテ記録、休憩で仮眠に入る
残ったスタッフは、ナースコール対応、環境整備、病棟内の清掃、巡回、翌日の準備など
巡回、バイタルチェック、採血、整容介助
7:30 配膳、食事介助、配薬
8:00 夜勤リーダーに申し送り、日勤の担当看護師に申し送り
9:00 カルテ記録、残務、退勤

 
夜勤の場合は、看護師の人数が日勤と比べて少ない状況です。定期的な巡回により患者さんの安全確保と状態観察を慎重に行います。

また、夜間の長時間勤務になるため、看護師同士がしっかりとコミュニケーションをとり、仮眠の時間を確保することも重要でしょう。

 

随時対応する業務

看護師は、1日の仕事の流れに沿って日勤と夜勤の業務をこなしていきますが、その間に随時対応する業務がいくつかあります。主に、次の4つです。

  • ・ナースコール対応
  • ・注射、点滴、採血
  • ・患者さんの移送、体位交換
  • ・患者さんのベッドメーキングなど身の回りのお世話

 

病棟看護師がやりがいを感じるとき

病院の受付で働く女性
看護師は、交代制を取り入れながら24時間患者さんと接することで、状態観察や異変の早期発見に努めています。

患者さんと接する時間が長く、医師よりも距離感が近い看護師にとって、仕事のやりがいを感じられる瞬間はたくさんあるでしょう。

受け持ち患者さんによっては、ナースコールが頻回だったり点滴本数が多かったりといった状況はよくあります。

看護師はいつ何が起きても迅速に対応できるよう、安全で効率的な看護を行うことが求められるでしょう。

 

感謝の言葉や笑顔を直接もらえる

看護師業務には、巡回や状態観察の他に、食事や整容、排泄などの日常生活の動作に関わる介助も含まれます。

患者さんができるかぎり不自由の少ない入院生活を送れるように、看護師は常にサポートしています。そのため、「ありがとう」と感謝の言葉をもらえる場面はたくさんあるのです。
 
また、治療を終えて元気になったり退院したりといった状況では、患者さんの笑顔を直接見られることも、やりがいの一つです。

さらには患者さん本人だけではなく、ご家族からも感謝される機会が多くあり、「看護師として関われて良かった」と実感できるでしょう。

 

精神的な支えになれる

患者さんは、安心して暮らしていた自宅から離れて、一人で入院生活を送っています。生活環境が変わった上に、苦しい症状やこれからの不安、恐怖心などを抱えている患者さんは多いです。

そこで、看護師は入院患者さんの気持ちに寄り添い、不安や恐怖心を少しでも和らげるようにコミュニケーションをとります。

時には患者さんの思いに共感し、涙を流すことがあるかもしれません。患者さんにとって、一番身近で接することができ、精神的な支えになれる看護師は大きなやりがいを得られるでしょう。

 

病棟看護師はこんな人が多く働いています

介護 男性スタッフ
病棟看護師は不規則な生活の中、毎日多くの業務をこなしながら、患者さんの命を支えています。体力的・精神的にも負担は大きいですが、その分やりがいも感じられる仕事です。

そのような病棟看護師には、コミュニケーション力や性格面など共通している点があります。主に、次の3点です。

・親しみやすく、よく悩みを相談される
・思いやりと協調性がある
・責任感があり、頼りになる

1つずつ解説していきます。

 

親しみやすく、よく悩みを相談される

看護師は、人の役に立ちたいという想いを持って働いています。そのため、困っている人や悩んでいる人の話に耳を傾けて共感し、寄り添いやすいのが看護師です。

また、患者さんやご家族が気持ちを表に出しやすいような雰囲気作りも大切でしょう。相手の想いを汲み取り、求めている以上の看護を提供することで、喜ばれる場面が多くあります。

このように、「この人なら話を聞いてくれそう」と思われるような、親しみやすさを持っている看護師が多く働いています。

看護師を目指す段階で「親しみやすさ」「相談のされやすさ」が足りないと感じても大丈夫です。仕事をしていく中で、先輩の様子を見たりして吸収していきましょう。

 

思いやりと協調性がある

看護師の仕事では、患者さんやご家族の想いや安全面などを一番に考え、優先順位を立てて業務を行うことが大切です。

自分のために仕事を早く終わらせたり、何も考えずに仕事をこなしたりしません。患者さんが快適に入院生活を過ごせるように、思いやりを持ちながら働いています。

また、医師や看護師など他のスタッフに気を配りながら、チーム医療の一員としての協調性をもつことも大切です。自分の仕事が終わった後は、周りのスタッフに声をかけて協力し、日々の業務を行います。

このように、他人との関わり方が上手で、周囲の状況を察知しながら仕事をしている看護師が多く働いています。

ただし、今の段階で思いやりや協調性に自信がなくても、仕事をしていく中で身に付いたり磨かれるところもあるので、安心してください。

 

責任感があり、頼りになる

看護師は、受け持ち患者さんの看護、手術や検査の準備、入院や退院の準備など1人で担当することがほとんどです。

その中で、一つの不注意が大きな事故につながることもあるため、周りのスタッフと連携しながら責任感を持って働いています。また、責任感がある看護師は、患者さんや医師、他の看護師から頼られ、仕事へのやりがいを感じられることが多くあるでしょう。

このように、どのような業務でも責任感を持ちながら仕事をし、患者さんや周りのスタッフから頼られる看護師が多く働いています。最初は分からないことも多くあるかもしれませんが、1つずつ覚えていくことで責任感があり、頼りになる看護師に成長していきます。

 

看護師は手に職がつけられる安定した職業

勉強をする看護師
看護師は、患者さんやそのご家族から頼られる職業です。些細なことでも、悩みを相談できる優しさを持っている看護師は多いものです。

これは、看護学生の頃に実習や人との関わりを通して、多くの人とコミュニケーションを取ってきた経験がしっかりと活かされています。

また、病棟看護師の他にもオペ看護師や在宅、訪問看護師など幅広い領域で活躍できます。そのため「安定している職」として、常に高い人気を誇っていることは特徴的でしょう。

このように、看護師の資格は「手に職をつける」ことに繋がり、やりがいを感じられる職業といえます。

 

まとめ

病院で働く笑顔の白衣の医療従事者
病棟看護師は、患者さんにとって接する時間が長い一番身近な存在です。
 
毎日のケアやコミュニケーションを通して患者さんの状態をチェックし、必要な看護を提供することが業務の中心になります。その業務量は多く、緊急時に備えて効率よく日々の仕事をこなすことは決して簡単ではありません。

それに加え病棟看護師は、的確で迅速に業務を遂行するだけではなく、コミュニケーション力など様々なスキルが必要です。

このように、病棟看護師の1日の仕事は分刻みで慌ただしく流れますが、人々の健康と心を支える大切な役割を持つ、やりがいのある仕事といえるでしょう。
 
将来看護師になりたい人は、この記事を読んで「看護師として働く自分」のイメージをより具体的に浮かべてみてください。