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日本の医療現場では、長年にわたり看護師不足が深刻な問題となっています。高齢化社会の進行や医療の高度化に伴い、看護師の需要は年々増加していますが、現場で働く看護師は不足しているのです。
看護師の仕事に興味がある方のなかには、「看護師不足によって、どのような影響があるのか知りたい」と思う方もいるでしょう。
この記事では、看護師不足の現状と原因、医療現場にもたらす影響について詳しく解説します。人手不足を解消するための国の取り組みについても紹介していますので、看護師を目指している方や、医療現場の現状に関心がある方は参考にしてください。
看護師を養成する学校は十分な数があり、病院就業看護師数も年々増加しています。2020年における看護師の就業者数は、約132万人です。
厚生労働省の統計によると、2025年は180万人の看護職員が必要になる推計となり、看護師の就業者数は増大が求められています。しかし、何十万人もの看護職員が不足すると試算されており、医療現場における大きな問題となるでしょう。
具体的な看護師不足の現状として、以下に例を挙げています。
病床稼働率の低下 | 多くの病院で、看護師不足のために満床にできない状況が発生 |
地域間格差の拡大 | 都市部と地方の間で看護師の偏在が進み、地方の医療機関ではより深刻な人手不足 |
過重労働の常態化 | 看護師一人あたりの業務量が増加し、長時間労働や過度の夜勤が常態化 |
新卒看護師の早期離職 | 厳しい労働環境により、新卒看護師の約10%が1年以内に離職する |
専門性の高い看護師の不足 | 高度医療や特定の疾患に対応できる専門性の高い看護師が不足 |
これらの現状が続くと、医療の質の低下や患者の安全性の低下につながる可能性があり、国全体で早急な人手不足における対策が求められています。
看護師不足の背景には、職場環境や社会的な変化などの複数の原因が重なっているといわれています。主な原因は、以下の5つです。
・看護需要の拡大と少子高齢化
・過酷な労働環境
・離職率の高さ
・医療技術の進歩とスキル習得の不安
・ワークライフバランスの難しさ
それぞれ詳しく解説します。
高齢化社会の急速な進展に伴い、日本では医療や介護の需要が年々増加しています。特に、慢性疾患や複数の疾患を抱える高齢患者が増加し、より手厚い看護ケアが必要とされているため、看護師の需要は高まっているのです。
一方で、少子化の影響により、看護師を目指す若者の数が減少しています。18歳未満の人口減少に伴い、看護師養成学校への入学者数も伸び悩んでいるのが現状です。
社会的に看護の需要が高まっているにもかかわらず、看護師自体のマンパワーが減少するといった状況が、看護師不足を加速させていると考えられます。
看護師は、長時間勤務や残業、不規則勤務、夜勤があることが一般的であり、過酷な労働環境となっています。
このような労働環境では、十分な休息が取れずに心身の不調や過度なストレス、慢性的な疲労が蓄積し、健康上においても問題を引き起こしやすいでしょう。
また、患者対応や医療ミスへの不安、他の医療スタッフとの連携など、人間関係においても精神的なストレスが高い職業です。
さらに、感染症のパンデミックにより、感染リスクや日常業務の量の増加など、さらなる大きな負担がかかってしまいます。
このような過酷な労働環境のイメージや実態が、看護師が不足している要因に関係しているといわれています。
看護師の離職率は他の職種と比較して高く、特に新卒看護師の早期離職が問題となっています。厚生労働省の調査によると、新卒看護師の約10%が1年以内に離職するという統計結果が出ています。
離職の主な理由は、過酷な労働環境に加え、現実とのギャップ、人間関係の難しさ、低収入などです。
また、20〜30代は結婚や出産を機に離職する看護師も多く、40代以降になると親の介護で退職する方も多いでしょう。
このように、ライフイベントと仕事の両立の難しさも、高い離職率の原因となっています。
年々進歩する医療技術に対して、看護師が習得すべき知識や技術も高度化されています。新しい医療機器の操作や、高度な治療法に対応する専門知識を常に学び続けなければなりません。
また、チーム医療を進めるためにも、他職種との連携や調整する能力も看護師には必要です。このような高度なスキルや知識の習得は簡単ではなく、不安や負担感が強まり、看護師の離職や看護師を目指す人材の減少につながるのでしょう。
さらに、継続的な学習や研修の機会が十分に確保できない教育体制も、スキル習得の不安を解消できない原因となります。
看護師は、不規則な勤務や土日祝日の出勤などにより、私生活との両立が非常に難しく感じるでしょう。特に、家族との時間や個人の時間の確保が困難になります。
出産・育児や介護との両立に困難を感じる看護師も多く、これらが理由で離職するケースも少なくありません。
また、仕事による疲労やストレスの蓄積により、心身の健康を崩しやすい看護師は多いでしょう。休暇取得の難しさや、急な勤務変更なども受け入れてもらえず、ワークライフバランスを重視した生活を送れない可能性があります。
看護師不足は、医療現場や患者、そして看護師自身にさまざまな影響を及ぼしています。主な影響は、以下のとおりです。
・医療の質の低下
・患者の安全性の低下
・看護師の健康問題
・医療機関の経営悪化
・看護師の専門性の低下
・患者満足度の低下
看護師が不足すると、看護師一人あたりの患者数が増えてしまい、細やかな看護ケアの提供が難しい状況になるでしょう。
その結果、患者とのコミュニケーション不足につながって満足度が低下する可能性や、看護師の余裕がなくなり、医療ミスのリスクが高まる可能性があります。
また、看護師の過労によって、十分な観察や患者対応ができずに医療事故のリスクが高まったり、患者の状態悪化や急変を見逃すリスクも考えられます。
さらには、看護師自体の心身の健康に大きく影響を与え、ますます看護師の離職が加速するのは懸念事項です。
経営目線から見る場合、看護師不足により満床にできない状態が続くと、病棟の閉鎖や病院経営に影響を与えてしまい、売上の低下や病院の経営が悪化してしまいます。
看護師の不足は、医療現場や患者など、さまざまな方面でリスクが起こる可能性が高まるため、早急な対策が必要です。
看護師不足の問題に対して、国や医療機関では、さまざまな対策を実施しています。主な対策は、以下のとおりです。
・労働環境の改善
・給与・待遇の改善
・復職支援プログラムの充実
・看護師養成所の増加
・外国人看護師の受け入れ
・ICT活用による業務の効率化
・キャリアパス支援
個々の希望に沿った働き方やワークライフバランスを重視した勤務体系などを推進したり、看護師の給料アップや夜勤手当の増額などの改善をしたりと、看護師が働きやすい環境を実現することが大切です。
また、家庭の事情や子育てなどに酔って一度離職した看護師が再び現場で働けるように、復職を支援するプログラムの充実、最新の医療技術や知識のアップデートを行う研修などを提供しています。
さらに、看護師の業務負担を軽減するために、ICTの積極的な活用や外国人看護師の受け入れ、医療クラークの導入なども取り組みの一つです。
看護師不足は、医療の質の低下や患者の安全性の低下、看護師自身の健康問題など、大きな影響があります。
そこで、国や医療機関では、看護師の労働環境や待遇面の改善、業務負担の軽減につながる施策、復職支援などが導入されている状況です。
特に、看護師養成学校においては、社会のニーズに応える高度な知識と技術を持つ看護師の育成に力を入れる必要があります。
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