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理学療法士は、身体が不自由な人や高齢者に対してリハビリを行う専門家です。医療施設だけでなく、福祉、スポーツなどさまざまな分野で活躍しています。
理学療法士に興味がある人のなかには、「理学療法士にはどうやったらなれる?」「理学療法士になるのは難しい?難易度は?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
この記事では、理学療法士になるまでの流れや難易度について詳しく解説します。理学療法士の養成校を選ぶ際のポイントについても紹介しますので、理学療法士に興味のある方はぜひ参考にしてください。
理学療法士は、誰でもすぐになれるような難易度の低い職業ではありません。
理学療法士として働くためには、国家試験に合格して免許を取得する必要があります。さらに、国家試験の受験資格を得るためには、文部科学大臣が指定した養成校で3年以上学び、カリキュラムを修了する必要があるのです。
理学療法士の養成校では、基礎科目や専門科目などさまざまな分野を学習し、専門科目には実技やグループ課題の授業もあります。
実際に働きはじめるまでの道のりは長く、国家試験のように超えなければならないハードルもあります。そのため、理学療法士を目指す人は、目標を定め努力し続けることが大切です。
理学療法士の難易度、難しさのレベルを、以下の3つのポイントに分けられます。
・養成校への入学
・養成校での学習
・国家試験
・仕事
それぞれ解説します。
理学療法士を目指すうえで、最初のハードルが養成校への入学です。理学療法士の国家試験を受験するためには、養成校で3年以上、定められたカリキュラムを受講する必要があるからです。
養成校は、大学、短期大学、専門学校など合わせて、全国で約280校以上あります。大学の場合、理学療法士が目指せる学科の偏差値は、45〜75前後です。とくに、国公立大学の偏差値が高い傾向にあります。
専門学校の場合、偏差値は公表されていません。ただし、専門学校では、入学試験において理学療法士としての資質を見られることが多く、筆記試験に加えて面接などを実施する学校もあります。
養成校への入学後は、生理学や解剖学、理学療法学など、理学療法士として働くうえで必要な知識を学習することになります。専門的な分野が多く、難しいと感じる人も多いでしょう。
養成校に入学した後は、理学療法士になるための専門的な学習のスタートです。
養成学校での学習内容は、基礎科目と専門科目に分けられます。1年次は基礎科目の授業が多く、学年が進むと専門科目中心のカリキュラムに移行します。専門科目は、理学療法士に必要な専門的な知識や技術を学ぶ科目で、実技授業の多さが特徴です。
年次が上がると、実際の医療現場や介護現場で数か月にわたって学ぶ「臨床実習」が行われます。臨床実習は、現場で働く理学療法士が指導役となって、患者さんの評価方法や治療プランの作成、施術など臨床で働くために必要なことを指導します。
実習中は、膨大な課題に苦しんだり、自分の知識や技術のなさを実感し落ち込んだりする人が多く、養成校の勉強内容のなかでも最大の難関といわれているのです。
令和6年実施の理学療法士国家試験の合格率は、89.2%でした。その他の年においても、おおむね8割前後で推移しています。
合格率が高いからといって、やさしい試験とはいえません。理学療法士国家試験の合格率が高い理由は、受験できる対象者が養成校で3年以上学習した人に限られるという点が大きいでしょう。専門的な教育を受けた以上、合格率が上がるのは当然です。逆に、しっかり学んだ人でも5人に1人は不合格になると考えると、理学療法士国家試験は難しい試験であるといえます。
理学療法士国家試験の試験では、計200問を午前と午後に分けて2時間40分で解答します。理学療法士国家試験は、問題数が多く試験時間が長いため、集中力が不可欠な試験なのです。
参照:第59回理学療法士国家試験及び第59回作業療法士国家試験の合格発表について(厚生労働省)
試験に合格して理学療法士の資格を得られたからといって、理学療法士としての学びは終わりません。理学療法士は、常に勉強が必要な難しい仕事です。
理学療法士が処置を行う患者さんは、それぞれ症状や状態が異なります。理学療法士は、患者さん一人ひとりに対して、最善の理学療法は何かを常に考える必要があるのです。わからないことを調べたり、より良いプログラムを考えるために、理学療法士は日々勉強しています。
また、患者さんをはじめ、医師や看護師などとコミュニケーションをとることも、理学療法士には欠かせません。痛みや苦しみに負けそうな患者さんを精神面でサポートしたり、プログラムの策定やリハビリ進行のために医療チームと相談したりなど、理学療法士には人と関わる力や体力も求められています。
理学療法士の養成校を選ぶときは、以下のポイントを抑えてください。
・カリキュラム
・施設や設備
・学費や奨学金の有無
・国家試験の合格率
・先生の専門分野
・就職実績
まずは、学習内容や学習環境について確認するとよいでしょう。実習期間・実績などのカリキュラムや、実習・実技が行われる施設や設備は要チェックです。学費や奨学金の有無といった費用面も忘れずに比較してください。
国家試験の合格実績は必ず確認しましょう。養成校を卒業しても、国家試験に合格できなければ理学療法士としては働けません。国家試験の対策ができる授業を用意している学校もあります。カリキュラムと合わせてチェックしてみてください。
さらに、理学療法士は、医療施設や福祉施設、スポーツ施設など幅広い分野で活躍できます。そのため、「自分が目指す分野の専門知識を持った先生がいるか」という観点も、養成校を選ぶ際のポイントです。学校のホームページで、先生のプロフィールをチェックしてみるとよいでしょう。
理学療法士は、社会的ニーズが高いことから、国家試験合格後の就職率は高いといえます。養成校のなかには、就職率100%をうたう学校も少なくありません。
養成校を選ぶ際は、就職率だけでなく、就職先やどのような分野への就職が多いのかも確認してください。就職実績を確認することで、自分が希望する分野への進みやすさもチェックできます。
理学療法士は、病気やケガ、老化などで身体機能の低下した人が自立した日常生活を送れるようにサポートするリハビリの専門職です。理学療法士になるためには、養成校で3年以上学習したうえで、国家試験に合格して国家資格を取得する必要があります。
実際に働きはじめるまでの道のりは長く、国家試験のように超えなければならないハードルもあり、難易度は決して低くはありません。さらに、理学療法士として働きはじめた後も、継続して勉強が必要です。
理学療法士の養成校を選ぶ際は、学習内容や学習環境に加えて、自分が目指す分野への就職実績も確認するようにしましょう。目標とする分野を専門にしている先生がいる学校に入れば、モチベーション高く維持しながら学習できます。
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