コラム

 

認定理学療法士とは?取得までの流れやメリットなど

理学療法士
理学療法士のキャリアパスの一つとして、認定理学療法士の資格取得があります。
この資格を取得することで、転職の際に有利な立場に立つことができたり、自身のスキルを証明する手段として活用できたりといったメリットが多く存在します。
この記事では、理学療法士の仕事に興味がある方、理学療法士としてのキャリアアップを目指す方々に向けて、認定理学療法士の概要について詳しく解説いたします。

 
認定理学療法士とはどのような資格なのか、取得するメリット、取得までの流れ、専門理学療法士との違いなどに触れますので、ぜひご一読いただき、新たなキャリアのステージに向けての準備をスタートさせてみてください。

 

認定理学療法士とは?

考える白衣を着た男性
「認定理学療法士」は、日本理学療法士協会が専門知識の向上と専門的水準の向上を支援するために提供している生涯学習制度の一部です。

この制度により、各分野で認定を受けた理学療法士は、その分野において優れたスキルを持つ理学療法士として認められます。

現在、日本理学療法士協会では21種類の認定理学療法士資格が設定されています。
以下はその一覧です。
 
【認定理学療法士の分野一覧】
・脳卒中
・神経筋障害
・脊髄障害
・発達障害
・運動器
・切断
・スポーツ理学療法
・徒手理学療法
・循環
・呼吸
・代謝
・地域理学療法
・健康増進・参加
・介護予防
・補装具
・物理療法
・褥瘡・創傷ケア
・疼痛管理
・臨床教育
・管理・運営
・学校教育
 
出典:日本理学療法士協会:認定・専門理学療法士制度 制度概要
 
認定理学療法士の資格を取得した理学療法士は、高度な専門技術を維持し、日々臨床現場で活躍することで、社会や組織内での理学療法士としての専門性を向上させています。

 

認定理学療法士になるメリット

メリットの文字
認定理学療法士の資格は、理学療法士としてのキャリアパスにおいて魅力的な利点がいくつかあります。具体的なメリットを見ていきましょう。

 

他者との差別化になる

日本理学療法士協会に登録する理学療法士の数は年々増加しており、厚生労働省の調査によれば、2040年までに理学療法士の数が需要数の1.5倍に増加する見込みです。
競争が激化する中で、他の理学療法士との差別化は非常に重要です。
 
そのため、自身がスキルを持っていることを他者に示す手段として、認定理学療法士の資格は、差別化を図るために非常に有力な選択肢と言えます。
また、認定理学療法士になるには、厳格な研修が必要であり、理学療法士になってからすぐに取得できるものではありません。
この厳しいプロセスを経ることで、自身の理学療法士としてのスキルを明確に把握することができます。
スキルの明確化は自己モチベーションを高め、専門性を更に向上させる一助となるでしょう。

 

転職時に優遇される

認定理学療法士の資格を取得していると、転職時に優位に働くことがあります。
多くの職場では認定理学療法士というステータスは高く評価され、市場価値が向上する傾向にあります。
自身の専門分野における知識とスキルを明確に示す指標として活用できるため、転職活動を有利に進める手助けとなるでしょう。
 
さらに、認定理学療法士の資格を持つことで、転職時により良い待遇の職場への移行の機会が増え、給与面でも向上する可能性が高まります。
そのため、将来的に収入面も向上させたいと考えている人にもおすすめです。

 

学習体制が整う

認定理学療法士の資格取得には、多くの学会への参加や研修が必要です。
これにより、専門性を高めるだけでなく、学習の機会が増えます。また、学会や研修を通じて、院外や自分の所属する職場の枠を超えて、全国各地の理学療法士たちとの意見交換や知識の共有が行えるのです。
 
こうした経験を通して、最新の治療法や研究結果に触れることができ、日々の業務にも役立てることができます。このように、継続的な自己研鑽の機会を持つことは、自分の専門性やスキルをさらに向上させるための重要なステップとなります。

 

認定理学療法士で人気の分野は?

資格の勉強をするイメージ
現在、日本理学療法士協会に登録している133,990名の理学療法士のうち、14,594名が認定理学療法士の資格を取得しています。

その中でも、特に登録者数の多い分野は以下の通りです。
 
・運動器
・脳卒中
・地域理学療法
・呼吸
・循環
 
特に運動器と脳卒中の分野では、両者だけで認定理学療法士の半数を占めています。
整形外科や脳外科の治療ではリハビリテーションの重要性が高く、認定理学療法士の資格も生かしやすい傾向にあるようです。
 
また、在宅医療の推進により、地域理学療法の需要も高まってきています。
もし、どの分野をめざすか迷っている方は、時代や世間のニーズに合わせて需要を見極めて資格を検討してみても良いでしょう。

出典:認定理学療法士 分野別取得者数2022年

 

認定理学療法士になる方法

認定理学療法士になるには、まずは前提として登録理学療法士になることが必要です。
登録理学療法士になってから、日本理学療法士協会が定める申請要件を満たすことで、認定理学療法士の試験を受験できます。

試験に合格すると、晴れて認定理学療法士になることができます。

以下に、認定理学療法士になるまでの流れをまとめました。
 
認定理学療法士になる方法

まず登録理学療法士になるには、日本理学療法士協会に入会してから2年間の「前期研修」と3年間の「後期研修」を履修する必要があります。
 
前期研修では座学と実地研修を通じて基礎的なスキルを学び、後期研修では更なる専門的能力を身につけるため主に所属している機関での実践を中心に行われる一方で、他の施設への見学や症例検討などもプログラムに組み込まれています。
 
これらの研修を終えることで、登録理学療法士として正式に登録されることとなります。
 
その後は、認定理学療法士の申請要件を満たし、認定理学療法士試験を受験し、合格する必要があります。
 
試験はマークシート形式で行われ、指定研修カリキュラムや臨床認定カリキュラムに基づく問題が出題されるため、しっかりとした準備が必要です。

 

認定理学療法士と専門理学療法士の違い

POINTポイントの単語とノートと鉛筆のイメージ
認定理学療法士の資格に加えて、日本理学療法士協会が提供する生涯学習制度には、専門理学療法士という資格も存在します。「認定理学療法士」と「専門理学療法士」はそれぞれ異なる目的と特色を持っています。
 
「認定理学療法士」の資格は、臨床現場での専門的なスキルや実践能力を高めることを目的としています。これに対して、「専門理学療法士」の資格は、学問的な研究や深い知識をベースに、さらに専門的な領域での活動を目指す方に特化しています。
 
これらの資格には階層性や優劣があるかのように思えるかもしれませんが、実際にはそうではありません。両者は並列的な資格として位置づけられており、それぞれの特色や強みに基づいて、理学療法士としての専門性や資質をさらに深め、拡げていくことを目指しています。
 
そのため、これらの資格取得を目指す際には、自分のキャリアビジョンや興味、取り組みたい領域をしっかりと見極め、どちらの資格が自分の目指す方向性に適しているのかを検討することが重要です。
 
それぞれの資格が提供する機会や教育内容を深く理解し、自分の将来像に合わせて最適な選択を行うことで、より充実した理学療法士としてのキャリアを築くことができるでしょう。

 

理学療法士の仕事に興味がある方へ


認定理学療法士資格は、理学療法士としてのキャリアアップにおいて多くの魅力を持っています。
転職において優位性を持つだけでなく、自身のスキルを向上させ、より充実した仕事を行うための自信を築くことができるでしょう。
 
もし、本記事を読んでいるあなたが理学療法士を目指したいと思っているのであれば、下関看護リハビリテーション学校で一緒に学んでみてはいかがでしょうか。
 
下関看護リハビリテーション学校では、経験豊かな教師陣の指導のもと、理学療法士としての基礎を学ぶことができます。
 
さらに、提携病院を中心とした就職支援にも力を入れており、理学療法士としての成功への道をサポートいたします。
 
まずは一度、学校説明会もしくはオープンキャンパスにお越しください。
一緒に、理学療法士としての第一歩を踏み出しましょう。
 
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